白菖マートル)” の例文
白菖マートル麝香草じゃこうそうとが咲き乱れ、花陰では三、四人の侍女たちが清冽な水に白い脚をひたして笑い戯れながら、さっきから水遊びに余念もありません。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
やがて私は嫩葉わかばの森に囲繞いにょうせられたヴェランダへ出て、食後の煙草を楽しんだり、白菖マートルの生えた池のほとり逍遥さまよいながら、籐の寝椅子にもたれてうとうとと昨夜ゆうべの足りぬ眠りを補ったり
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
忍冬すいかずら常春藤きづたまとわり付いた穹窿アーチ形の門があり、門をくぐると、荒れ果ててはいたが、花の一杯に乱れ咲いた前庭があり、その前庭には赭熊百合しゃぐまぐさ白菖マートルや、薄荷はっか麝香草じゃこうそうや、薔薇ばらすみれ
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)