白堊しろつち)” の例文
わが滿身の鮮血はとろけ散りて氣となり、この天この水と同化し去らんと欲す。われは小兒の如く啼きて、涙は兩頬に垂れたり。市に大なる白堊しろつちの屋ありて、波はそのいしずゑを打てり。
石灰粉が積って、白堊しろつちの板のようになったそこに、点々と赤いしみが落ちているのだ。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そのをかこめる低き鉄柵てっさくをみぎひだりに結ひし真砂路まさごじ一線ひとすじに長く、その果つるところにりたる石門あり。りて見れば、しろ木槿もくげの花咲きみだれたる奥に、白堊しろつち塗りたる瓦葺かわらぶきの高どのあり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
石灰粉が積って、白堊しろつちの板のようになったそこに、点々と赤いしみが落ちているのだ。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)