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疑惧
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ぎく
ふりがな文庫
“
疑惧
(
ぎく
)” の例文
三四郎は此時、
凝
(
じつ
)
と座に着いてゐる事の極めて困難なのを発見した。脊筋から足の裏迄が
疑惧
(
ぎく
)
の刺激でむづ/\する。立つて便所に行つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
というのは、つづめていえば「参」つなぎの処世法によるのであって、ここにおいて又四郎としては或る程度の
疑惧
(
ぎく
)
をもたざるを得なくなった。
百足ちがい
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そして彼は恐ろしい
疑惧
(
ぎく
)
と、絶望の
淵
(
ふち
)
に沈んでいる伯母を残したなり、口笛を吹きながら自分の「道場」へと立ち去った。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
大きい眼を不安と
疑惧
(
ぎく
)
に見開いたまま、可愛らしいものの譬えにまでされた「お静さんの弓なりの唇」からは、紅の色までサッと褪せてしまったのです。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
僧徒らみずから私に
懐
(
いだ
)
きたる恐怖に、まのあたり面あえりしごとく、おのおの
疑惧
(
ぎく
)
の眼を交う。間。
道成寺(一幕劇)
(新字新仮名)
/
郡虎彦
(著)
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こういう
疑惧
(
ぎく
)
はまだ去らなかったが、年の暮には母も床上げの祝いをするようになり、また正月の下旬には、あによめの文代が女の子を産んだ。
雨の山吹
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“疑惧”の意味
《名詞》
疑 惧 (ぎく, ぎぐ)
うたがいおそれること。
(出典:Wiktionary)
疑
常用漢字
小6
部首:⽦
14画
惧
常用漢字
中学
部首:⼼
11画
“疑”で始まる語句
疑
疑懼
疑惑
疑問
疑念
疑心暗鬼
疑団
疑心
疑無
疑問記号