男踏歌おとことうか)” の例文
今年ことしの正月には男踏歌おとことうかがあった。御所からすぐに朱雀すざく院へ行ってその次に六条院へ舞い手はまわって来た。道のりが遠くてそれは夜の明け方になった。
源氏物語:23 初音 (新字新仮名) / 紫式部(著)
男踏歌おとことうかがあったので、それを機会として玉鬘は御所へ参ったのである。すべての儀式が派手はでに行なわれた。
源氏物語:31 真木柱 (新字新仮名) / 紫式部(著)
翌年の正月には男踏歌おとことうかがあった。殿上の若い役人の中で音楽のたしなみのある人は多かったが、その中でもすぐれた者としての選にはいって薫の侍従は右の歌手のとうになった。
源氏物語:46 竹河 (新字新仮名) / 紫式部(著)
元三日が過ぎてまた今年は男踏歌おとことうかであちらこちらと若い公達きんだちが歌舞をしてまわる騒ぎの中でも、寂しい常陸の宮を思いやっていた源氏は、七日の白馬あおうま節会せちえが済んでから、お常御殿を下がって
源氏物語:06 末摘花 (新字新仮名) / 紫式部(著)