田舎臭いなかくさ)” の例文
そしてその仕事をまじめにしているともう考えることも考えることもみんなじみな、そうだ、じみというよりはやぼな所謂いわゆる田舎臭いなかくさいものにかわってしまう。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それは少しも田舎臭いなかくさくない、優雅な家具調度で豊かに飾りつけられた、大きな部屋であった。
私という津軽の土百姓の血統の男が、どんな都会生活をして来たかを書きしたため、また「東京八景」以後の大戦の生活をも補足し、そうして、私の田舎臭いなかくさい本質をきわめたいと思った。
十五年間 (新字新仮名) / 太宰治(著)
私はしまいに父の無知から出る田舎臭いなかくさいところに不快を感じ出した。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)