産所さんじょ)” の例文
産所さんじょという一種の賤民のあった事は、つとに「賤者考」や「近江輿地誌略」等によって注意された事で、柳田君の「郷土研究」にもその説が出ておった。
エタ源流考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
まっ白な広間の寂寞せきばくしぼんだ薔薇のつぼみの匀と、——無数の仔蜘蛛を生んだ雌蜘蛛はそう云う産所さんじょと墓とを兼ねた、しゃのような幕の天井の下に、天職を果した母親の限りない歓喜を感じながら
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
これらの河原者と同じ仲間に、産所さんじょというのがあります。或いは散所・算所などとも書いてあります。