珠子たまこ)” の例文
かの光秀と藤孝とは、共に、信長に仕える前から莫逆ばくぎゃくの友であった。忠興の妻の珠子たまこ伽羅沙がらしゃ夫人)は、光秀のむすめであった。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「男の子とだって歩きますよ、ぼくも女の子と道づれになることがある、隣の珠子たまこさんが犬に追われたとき、ぼくはおんぶして帰ってきた」
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「それは許せない。売ってはならない。それに……それに、もし珠子たまこさんがそれを知ったら、どんなに嘆くと思う。君達の間に、きっとひびが入るぞ、それも別離の致命傷の罅が……」
大脳手術 (新字新仮名) / 海野十三(著)
多くの会社の重役を勤め事業界一方の驍将ぎょうしょうとして人に知られている相川操一そういち氏の長男であって、大学法科の学生なのだが、彼の妹の珠子たまこなどが「探偵さん」という諢名あだなをつけていた通り
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
妹の珠子たまこと、珠子の家庭教師の殿村京子とのむらきょうことの三人が、食卓を囲んでいた。
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)