珊々さんさん)” の例文
女神像の下より珊々さんさんの音を立てて流れ落つる三条の清水、これが即ち世に名高いエジェリヤの涙泉で、神像は言うまでもなく、エジェリヤの像である。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
「城中蛾眉ノ女、珠珮珂しゅはいか珊々さんさんタリ、鸚鵡おうむヲ花前ニ弄シ、琵琶ヲ月下ニ弾ズル境へ。……殿にはどこへ行かれます?」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
道の右は山を𠠇りて長壁と成し、石幽いしゆう蘚碧こけあをうして、幾条いくすぢとも白糸を乱し懸けたる細瀑小瀑ほそたきこたき珊々さんさんとしてそそげるは、嶺上れいじようの松の調しらべも、さだめてこのよりやと見捨て難し。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
二度目の奇蹟! 太陽は再び珊々さんさんたる光線を硝子天井の上に降りそそいだ。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)