猫脊ねこぜ)” の例文
人はよく、博士が南京路ナンキンろ雑鬧ざっとうの中を、れ切った紫紺色しこんしょく繍子しゅうしの服に身体を包み、ひどい猫脊ねこぜを一層丸くして歩いているのを見かけるが、博士の住居を知っている者は、殆んどない。
お眼が小さく、まゆも、太すぎます。お歯も、ひどく悪いようですし、ちっともお綺麗きれいなおかたではございません。脚だって、少し曲って居りますし、それに、お可哀そうなほどのひどい猫脊ねこぜです。
新ハムレット (新字新仮名) / 太宰治(著)