にはか)” の例文
九泉に堕つる涙まことこもりて、再び亡魂なきたまをや還しぬべき。しかすがに亡き人の神気すでに散じたれば、にはかにわれ等とかたらひ難くや
『聊斎志異』より (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
わたくしはにはかに見て、大田の病人と蜀山人とは別人ではないかと疑つた。しかしつく/″\おもへば同人であらう。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
〔評〕十年のえき、私學校の彈藥製造所だんやくせいざうじよかすむ。南洲時に兎を大隈おほすみ山中にふ。之を聞いてにはかいろへて曰ふ、しまつたと。爾後じご肥後日向に轉戰して、神色夷然いぜんたり。