狂癲きょうてん)” の例文
それが、どうにも、できないんです、ことばではいってみても。……きょうもこれへ伺うまでは、宮中にいたのですが、人々の狂癲きょうてんぶりを
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「だまれ。上司から来た調書によれば、元来汝には、時折り狂癲きょうてん発作ほっさがあるよしがしたためてある。狂気を打ちすえても、御法の殺威棒の主意にかなわん。正気の折に打ってくれよう」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
狂癲きょうてんの持病を発作したり、キャキャとはしゃぐと、よくよだれを垂らしたりしたので、彼を盲愛する生母の覚海尼公かっかいにこうも、後見の長崎円喜えんきらも、たまりかねて、その栄座から、ひっ込めたものであったが
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)