状師だいげんにん)” の例文
忽ち又いと高きつぎあししたる状師だいげんにんあり。我傍を過ぐとて、我を顧みて冷笑あざわらひていはく。あはれなる同業者なるかな。君が立脚點の低きことよ。
我は可笑しき振舞せんによろしからんとおもへば、状師だいげんにんの服を借りて歸りぬ。これをて云ふべきこと爲すべきことの心にかゝりて、其夜はほとほと眠らざりき。
是を祭の始とす。「カピトリウム」の巨鐘は響き渡りて、全都の民を呼び出せり。我は急ぎ歸りて、かの状師だいげんにんの服に着換へ、再び街に出でしに、假裝の群は早く我をむかへて目禮す。