牢頭ろうがしら)” の例文
「おお! 薊州けいしゅう奉行所のろう役人。そうだ、そこへおいでなさるのは、たしかあだ名を病関索びょうかんさくとおっしゃる牢頭ろうがしらさんじゃございませんか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「な、な、なんですかえ。牢頭ろうがしらの重ね畳はお城も同然なんだ。お奉行ぶぎょうさまがちゃんとお許しなんですよ。降りろとは、ここを降りろとはなんでござんす!」
この牢の中では、一千六百四十幾日というのが古参だったが、当然、格からいっても、一段高い牢頭ろうがしらの坐るところには、わしが坐っていた。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
強悪無類の牢頭ろうがしらたるわしが、そんな弱音を顔いろに現わしたら、たちまちまわりのおおかみどもにめられてしまう。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
牢頭ろうがしら、二、三日経つと、私たちは一遍、牢を出されて、世間の風にふかれる事ができますね」
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)