牡獅子おじし)” の例文
猫のように可愛がって、日頃夫人の部屋に飼い馴らされている牡獅子おじしもまた、夫人の腰の辺にあごを乗せて、とろりと睡眼を半ば閉じていた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
多数の牡獅子おじしと、牝獅子めじしと、小獅子こじしとが、おのおの羯鼓かっこを打ちながら、繚乱りょうらんとして狂い踊ると、笛と、ささらと、歌とが、それを盛んに歌いつ、はやしつつ、力一ぱいに踊るが
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
さながら、岩角に雄躯ゆうくをのばした牡獅子おじしの姿——壮であり美であった。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)