牡丹餅大ぼたもちだい)” の例文
神尾主膳の面は、左右の眉の間から額の生際はえぎわへかけて、牡丹餅大ぼたもちだいの肉をぎ取られ、そこから、ベットリと血が流れているのです。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
牡丹餅大ぼたもちだいもんをつけたのが
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
眉間みけんにつけられた牡丹餅大ぼたもちだいの傷は癒着ゆちゃくしたけれども、その見苦しい痕跡こんせきばかりは、拭っても、削っても取れません。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
井戸のはね釣瓶つるべ牡丹餅大ぼたもちだいにばっくりと食って取られたそのあとが、相当に癒着しているとはいえ、塗り隠すことも、埋め込むこともできない——親の産み成した両眼のほかに
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
きずは癒着するにはしたが、なにぶん、眉間みけんの真中を牡丹餅大ぼたもちだいだけり取られたのだから、そのあとがありありと残って、まあ出来損ないの愛染明王あいぜんみょうおうといった形だ、とても、あの人相では
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
意地悪く控えている牡丹餅大ぼたもちだいの一つの眼が、爛々らんらんとかがやきました。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)