牛窪うしくぼ)” の例文
何ら、成算せいさんのない勝頼は、二連木にれんぎ牛窪うしくぼなどの部落を放火して、いたずらに示威じいして廻っただけであった。吉田城へはかからなかったのである。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
加賀のくにの白山谷はくさんだにを、鶴来つるぎ町のほうから手取てどり川に沿って登って来たひとりの旅装の老人が、牛窪うしくぼという村にかかる土橋のところで立停った。年は六十前後、背丈は五尺七寸くらいあった。
似而非物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)