牀几しようぎ)” の例文
宮は牀几しようぎりて、なかばは聴き、半は思ひつつ、ひざに散来るはなびらを拾ひては、おのれの唇に代へてしきり咬砕かみくだきぬ。うぐひすの声の絶間を流の音はむせびて止まず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
宮は母親と連立ちて入来いりきたりぬ。彼等は橋を渡りて、船板の牀几しようぎを据ゑたるもとを指してゆるく歩めり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)