熨斗餅のしもち)” の例文
店には仕事がちらかり放題に散かっていた。熨斗餅のしもちすみの方におかれたり、牛蒡締ごぼうじめや輪飾がつかねられてあったりした。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
故に今では丸餅まるもち熨斗餅のしもちなどの、至って単純な物しかできなくなったのである。是が生粉であるならばゆっくりといかなる形の物をでもつくね上げ得たのは当然である。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「もう大抵判っているんだから、きょうはこのくらいにしておこう。おめえもかぞにここでいつまでも納涼すずんでもいられめえ。家へ帰ってかかあ熨斗餅のしもちを切る手伝いでもしてやれ」
半七捕物帳:17 三河万歳 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)