焼土しょうど)” の例文
旧字:燒土
翌朝は遥々はるばると、下北沢の親戚しんせきの家に厄介になりにいった。老母をリヤカーに乗せ、これを押しながら妻や子供は焼土しょうどの町を行く。これは先発隊である。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
赭茶あかちゃけた焼土しょうどと、崩れかかった壁と、どこの誰とも判らぬ屍体したいとが、到るところに見出された。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
東京市なんか、敵国の爆撃機が飛んできて、たった五トンの爆弾をおとせば、それでもう、大震災のときのような焼土しょうどになるんです。そのとき敵の飛行機は、きっと毒瓦斯を投げつけてゆきます。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)