焼串やきぐし)” の例文
ある店では、紋のついた油障子の蔭から、赤いかにや大粒のはまぐりを表に見せていた。ある店では、ショウウィンドーの中に、焼串やきぐししぎを刺して赤蕪あかかぶ和蘭芹オランダぜりと一しょに皿に並べてあった。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
かえる焼串やきぐし、小さい子供の指を詰めたまむしの皮、天狗茸てんぐだけ二十日鼠はつかねずみのしめった鼻と青虫の五臓とで作ったサラダ、飲み物は、沼の女の作った青みどろのお酒と、墓穴から出来る硝酸酒とでした。
ろまん灯籠 (新字新仮名) / 太宰治(著)