火水ひみず)” の例文
「アハハハハ、火水ひみずの苦しみとはこれだ、水の中へ投げ込まれて往生のしきれぬ奴が、火の中で焼け死ぬのだ、お喋り坊主、これでも出て来ないか」
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ですから部下ぶか兵士へいしたちも田村麻呂たむらまろしたいきって、そのためには火水ひみずの中にもとびむことをいといませんでした。
田村将軍 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「この夏頃から、丞相には、渭水の北に城寨とりでを築こうとなされているらしいが、なぜ火水ひみずついえぬ城をお造りにならぬかと、愚案を申しあげに来ましたのじゃ」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
津守編輯長のためなら火水ひみずにでも飛込む気で、靴下を穿いた。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
火水ひみずになって働く大勢の働きぶりと、みなぎり返る笛吹川の洪水とを見比べては、自ら勇みをなして尾を振り立てながら、時々何をか促すように慢心和尚の面を仰ぎ見るのであります。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「反きませんとも、お嬢様のおっしゃることならば、火水ひみずの中でも……」
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
火水ひみずになれと揉み立てているのだから、目に立てないわけにはいかない。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あつ! 熱! 火水ひみずの苦しみ」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)