“火塵”の読み方と例文
読み方割合
かじん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ほか楠木や名和の隊も突進してゆき、攻守入りみだれて、炎の下のたたかい半日余、たそがれにはもうそこは無残な火塵かじんの広場だった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まろびつ、お千絵を抱えた万吉と、お綱の姿だけは、渦まく火塵かじんを泳ぎぬけて、裏門の外へ出たらしいが、ああ、遂に、乳母のおたみだけは
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
事実、なお中に踏み止まって、彼方此方かなたこなたと駆けている者は、時には煙にせ、時には火塵かじんをかぶっていた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)