漂蕩ひょうとう)” の例文
女はもう、しんとして聴きれてしまいました。なにもかも忘れて、野卑で、下等で、醜悪な人間がかなでる、一種異様な異国情調の漂蕩ひょうとうに堪えられなくなってしまったと見えて
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
燈籠一つき、続いて一つ行く。漂蕩ひょうとうする趣して、高く低く奥のかた深く行く。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)