“滅失”の読み方と例文
読み方割合
めっしつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そう思いつめると、今は官兵衛の生への執着しゅうじゃくも日毎にうすくなった。心のどこを探しても、滅失めっしつ以外のものが見出し難いここちになった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
生涯にわたる傷魂しょうこんの深手——懺愧ざんき痛涙つうるい滅失めっしつのうめきを、このときの一せいにふり絞って、かれは、腰をぬかしてしまった。
この人間は、自己の社会的な地位から転落して、すべてに滅失めっしつした時に、仏陀ぶっだの救いとか、法悦の境というものがあることまで、見失ってしまったに違いない。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)