溝店どぶだな)” の例文
溝店どぶだなの伊兵衛の家で聞いたんで……。今四、五日前といいましたが、それはおぼえ違いで、もう半月ほど前になるかもしれません」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
溝店どぶだなのお祖師様と兄弟分だ、わかい内から泥濘ぬかぬみへ踏込んだためしのないおれだ、と、手前てめえ太平楽を並べる癖に。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「お前はどうも交際つきあえば交際うほど人を甘くみてよくないたちだ、溝店どぶだなで隣合っていた時代はわしのことを先生と呼んだ。……おまえはな」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手を捻じられながら、笠のつばを上げて顔を見せたのは、下谷溝店どぶだなで同じ長屋のわるさ仲間、道中師の伊兵衛でありました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)