源委げんい)” の例文
渋江氏の勤王はその源委げんいつまびらかにしない。しかし抽斎の父允成に至って、師柴野栗山しばのりつざんに啓発せられたことは疑をれない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
何処どこということなく、道を歩いてふと小流こながれに会えば、何のわけとも知らずその源委げんいがたずねて見たくなるのだ。来年は七十だというのにこのへきはまだ消え去らず、事に会えば忽ち再発するらしい。
葛飾土産 (新字新仮名) / 永井荷風(著)