清音すがね)” の例文
清音すがねと人がぶのは、千蔭ちかげ風の書をかいたり、和歌を詠んだり、国学に通じていたりするので、その方の名が、通称となったものらしい。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
清人が、そんな冗談を云っていると、窪田清音すがね仲間ちゅうげんが使に来た。——お次は又、はっと、顔色をかえた。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
清の名乗なのりは、勿論、恩師窪田清音すがねの一字。一刀一刀鍛つごとに、鉄へ切り込むたがねのごとく、その人を忘れまいとする彼の気持から選んだ名であることはいう迄もない。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)