海口うみぐち)” の例文
この河の、はるか海口うみぐち、尼ヶ崎の空へむかって光秀のひとみが、光芒こうぼうを放ったようにすわったとき、彼のくちびるはかつて吐いたことのない強い語気をもらした。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
海口うみぐちへ着くやいな、しぶきにぬれた蓑笠みのかさとともに、筏をすて、浜べづたいに、蒲原かんばらの町へはいったすがたをみると、これぞまえの夜、鼻かけ卜斎ぼくさいの屋敷から遁走とんそうした菊池半助きくちはんすけ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)