浜縮緬はまちりめん)” の例文
並九曜ならびくようの紋のついた浜縮緬はまちりめん単衣羽織ひとえばおりをフワリと着せかけると、また、もとの席までもどって行って、首をかしげながらつくづくと眺め
顎十郎捕物帳:16 菊香水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
この須崎と云う男は上州の地主で、古風な白い浜縮緬はまちりめんの帯を腰いっぱいぐるぐる巻いて、豚のように肥った男だった。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
長浜へ着いて、浜縮緬はまちりめんの柄が気に入ったから欲しいと言わず、桃山城の御殿と、山楽の壁画を、そっくり買いたい——それがお銀様らしいと言わなければならぬ。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
浜縮緬はまちりめん」だとか「近江麻布おうみあさぬの」だとか「高島縮たかしまちぢみ」だとかよく聞えた名であります。浜縮緬は湖北の長浜ながはまを中心とし、麻布や蚊帳かやは湖東の各部落で出来、高島縮は湖西の今津地方の産であります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
くすんだ色の浜縮緬はまちりめんの座敷着に翁格子おきなごうしの帯をしめ、島田くずしに結いあげた頭を垂れて、行灯のそばに、じっとうつむいてすわっていたが
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)