泰子やすこ)” の例文
泰子やすこはかたく、良人おっと対峙たいじのすがたを持ったまま、いやしむように、眼のすみから、子の清盛をしかりつけた。
今は昔でこそあれ、この泰子やすこは、かりそめにも、白河の君の御愛情に秘めいつくしまれた体ですよ。もし宮中にあれば、きさき更衣こういとも、あがめられたかも知れないのです。
泰子やすこは、五衣いつつぎぬうちぎに、いつもながら、あでやかに化粧していた。家で朝夕に見ていたときより、加茂で会ったときより、見るたびに、若くなり、見よがしに、着飾っている。