法体ほつたい)” の例文
旧字:法體
世間の噂は皆実正まことなり。われと吾身に計り知られぬ罪業を重ねし身。天下、身を置くに処無し。流石さすが法体ほつたいの身の、かゝる処に来合はせし事、天の与ふる運命さだめにやあらんずらん。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
此時大臣の官なかりしゆゑ、大納言にて執政たり。此年七月三日 宇多帝うだてい御位みくらゐを太子敦仁あつひと親王へゆづり玉ひ朱雀すじやく院へ入らせ玉ひ、亭子ていじ院と申奉り、御法体ほつたいありては 寛平法皇くわんびやうほふわうとぞ申奉る。
上皇は剃髪して法体ほつたいとなり、ひたすら信仰に凝つてをり、女帝は更に有閑婦人の本能によつて、その与へられた大きな趣味、信仰といふ遊びの中で、伽藍に金を投じ、儀式を愛し、梵唄ぼんばいを愛し
道鏡 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
黙祷の禁忌のなかにさきいでる かたちなき蒼白の 法体ほつたいの薔薇の花。
藍色の蟇 (新字旧仮名) / 大手拓次(著)
身を法体ほつたいへて
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此時大臣の官なかりしゆゑ、大納言にて執政たり。此年七月三日 宇多帝うだてい御位みくらゐを太子敦仁あつひと親王へゆづり玉ひ朱雀すじやく院へ入らせ玉ひ、亭子ていじ院と申奉り、御法体ほつたいありては 寛平法皇くわんびやうほふわうとぞ申奉る。