汚物をぶつ)” の例文
どぶの匂ひと、汚物をぶつの臭氣と、腐つた人肉の匂ひともいふべき惡臭とがもつれ合つて吹き流れてゐる、六尺幅の路地ろぢ々々。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
寢轉ねころんで讀書どくしよしてゐる枕頭まくらもとにお行儀げうぎよくおちんをしてゐる、しかつてもげない、にはへつまみす、また這入はいつてくる、汚物をぶつをたれながす、下女げぢよおこる。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
さやの中程に、ベツトリ附いて居るのは、紛れもない犬の汚物をぶつ
それは、汚物をぶつから湧いたうじ蟲の如く、この世界の家々を取り卷いて離れなかつた。その熱度は、朝も夕も夜半も變りがなかつた。ぢつと毒瓦斯のやうによどんで動かなかつた。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)