“汐煙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しおけぶり50.0%
しほけむり50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その汐煙しおけぶりが山から山を一面にぼかして、輝やかに照り渡った日光のもとに何とも云えぬ寂しい景色を作っているのである。
みなかみ紀行 (新字新仮名) / 若山牧水(著)
岩蔭に身をかがめて暫くその浪と島と風とに見入って居ると、駿河湾を距てた遥かな空には沖かけての深い汐煙しおけぶりのなかに駿河路一帯の雪を帯びた山脈がほの白く浮んで見えて居る。富士は見えなかった。
みなかみ紀行 (新字新仮名) / 若山牧水(著)
この日の午後一時にサルヂニアとコルシカの海峡を通つた。コルシカ島の禿げた石山いしやま汐煙しほけむりの中に白く隠見いんけんして居たのはいい感じであつた。米国の一宣教師は十二歳の息子に奈破侖ナポレオンの話を聞かせて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)