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汁気
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しるけ
ふりがな文庫
“
汁気
(
しるけ
)” の例文
それからまた、血のしたたる
汁気
(
しるけ
)
のある不思議な物がこしらえられる料理場もあり、ばかげた恐ろしい
噺
(
はなし
)
をしてくれる
老婢
(
ろうひ
)
もいた……。ついに晩となる。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
大したお金でしたわい! 乾した桜んぼだって、あの
頃
(
ころ
)
は柔らかくてな、
汁気
(
しるけ
)
があって、甘味があって、よい香りでしたよ。……あの頃は、こさえ方を知っていたのでな……
桜の園
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
時間
潰
(
つぶ
)
しであり、まためいめい自分で知られる方がよいのだが、大体に日本人の食物などは、近世に入ってから追々と柔かくなり、甘くなり、且つ温かくて
汁気
(
しるけ
)
の多いものになってきている。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
あの肥大な虫の
汁気
(
しるけ
)
という汁気はことごとく吸い尽くされなめ尽くされて、ただ一つまみの
灰殻
(
はいがら
)
のようなものしか残っていなかった。ただあの堅い
褐色
(
かっしょく
)
の口ばしだけはそのままの形をとどめていた。
簔虫と蜘蛛
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
汁気
(
しるけ
)
のあるものをことごとく
乾鮭
(
からさけ
)
にするつもりで吹く。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
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後者の人々は、味のよい和音、
汁気
(
しるけ
)
の多い連結、滋養分に富んだ和声、などばかりを問題にしたがっていた。あたかも菓子屋の
噂
(
うわさ
)
をでもするように、音楽のことを話していた。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
吸物・あつ物を
膳
(
ぜん
)
の上に添えることが、
款待
(
かんたい
)
のしるしとなったのもその結果で、他の民族でも同じことかと思うが、日本の食物が近世に入って、次第に温かいものまたは
汁気
(
しるけ
)
のものを多くしたのも
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
汁
常用漢字
中学
部首:⽔
5画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“汁気”で始まる語句
汁気がたっぷり