氷餅こおりもち)” の例文
六月朔日を氷室の節といい、西の丸では、富士氷室の御祝という儀式があり、大奥、御台所は伺候の大小名に祝いの氷餅こおりもちをくださる。
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
お庄らは田舎から持って来た干栗ほしぐりや、氷餅こおりもちの類をさも珍しいもののように思ってよろこんだ。正月にはお庄も近所の子供並みに着飾って、羽子はねなど突いていたが、そのころから父親は時々家をあけた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
罐詰かんづめでしたらかりんにはちの子、それに高野こうや豆腐だの氷餅こおりもちだの。」
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)