氷花つらら)” の例文
そのしょうやひちりきの音から伊勢の宮の稚児ちごたちおもい出され、んだ足をひき摺って登った鷲ヶ岳の樹々の氷花つららが、ふと考え出されたのであろう。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
引き摺って、伊勢の宮の裏山へ登った時——あの晩の星もきれいだったな。あれは、冱寒ごかんの冬だったが、今ごろならば、氷花つららの樹々にも、もう山桜のつぼみがふくらんでいる時分
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)