氷塊ひょうかい)” の例文
すると、集まっている人たちが笑いさざめきながら、ふたりのあいだに判決をくだすのでした。岩山はとどろき、氷塊ひょうかいがくずれ落ちました。
私は次から次に落ちかかって来る疑問の氷塊ひょうかいに、全身を埋め込まれるような気がした。思わず眼を閉じながら、頭を左右に振り動かしてみた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
黒竜江の結氷が轟音ごうおんとともに破れ、氷塊ひょうかいは、濁流だくりゅうに押し流されて動きだす春がきた。
国境 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
余はそのビールを末期まつごの水として飲み、快くこの世を去らん、しこうしてその空瓶にはこの一書を封じて海中に投ずるなり、もしこの瓶氷塊ひょうかいにも砕けず、海底にも沈まず——オー、オー、オー
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)