水牛すいぎゅう)” の例文
水牛すいぎゅうのように大きな図体ずうたいをもった艦長の胸のなかを、一センチほど、りひらいてみたかった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ついそばに、蓮池はすいけに向いて、(じんべ)と言ふひざぎりの帷子かたびらで、眼鏡めがねの下に内職らしいあみをすいて居る半白はんぱくの父を呼ぶと、急いで眼鏡をはずして、コツンと水牛すいぎゅうたたんで、台に乗せて
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「ねえ、隊長。恐竜てえのは、猛獣の部類なのかね。それとも馬や水牛すいぎゅうなみかね」
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その階段の下に、顔が水牛すいぎゅうになっている身体の大きな僧形そうぎょうの像が、片足をあげ、長い青竜刀せいりゅうとうを今横に払ったばかりだという恰好をして、正面を切っているのであった。人形はそれ一つであった。
鬼仏洞事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)