氣魄きはく)” の例文
新字:気魄
この男には、恰幅にも氣魄きはくにも、昔の身分を物語る武家らしさは少しもなく、見たところ全く疲れ果てた六十歳近い唯の老人です。
白刄しらはの中をもおそれぬ氣魄きはく正義觀せいぎくわんのあつた者を、當初はじめは立ててきたのであらうが、總稱して、姐御とは親分のおかみさんをさすことになり
凡愚姐御考 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
二十八九、精々三十くらゐ、若いにしては分別者らしい男で、淺黒い引緊ひきしまつた顏にも、キリリと結んだ口にも、やり手らしい氣魄きはくがありまます。
手負乍ら、お嘉代の烈々れつ/\たる氣魄きはくが、その打ちしめつた言葉のうちにも、聽く者の肺腑はいふゑぐります。
迎へてくれた叔父の安兵衞は五十前後の着實な男、甥の吉太郎といふのは、如何にも一と癖ありさうで、正直者らしいうちにも、容易に重三郎の手には乘るまじき氣魄きはくが見えました。
丁寧な言葉のうちにも、氣魄きはくは平次に噛みつきさうです。