気泡きほう)” の例文
そして小さな細かい気泡きほうが、茶碗ちやわんの表面に浮びあがり、やがて周囲のへりに寄り集つた。その時私はまた一つの角砂糖を壺から出した。
田舎の時計他十二篇 (新字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
油ぎった水面に河底から立ちのぼる気泡きほうのように、呼び合う声、口笛の音、無頼漢の叫び声などが、その群集のどよめきを貫いて響き渡り、群集の幾層もの厚みを示していた。
しかし船は少しも水のなかへ沈みそうではなく、気泡きほうのように波の上をかすり飛ぶように思われるのです。その右舷は渦巻に近く、左舷にはいま通ってきた大海原おおうなばらがもり上がっていました。