気儘きまゝ)” の例文
旧字:氣儘
煎餅せんべいのやうな生木の薄いバラック旅館が、いくつも建ちかけてゐた。気儘きまゝ放題に家が建ち並んでゐる。市場マァケットあり小料理屋あり。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
一人娘ゆえ秘蔵に致し気儘きまゝに遊ばして置きましたが、日暮方から羽根を突きに往って帰りません。
「六代目はああいふ気儘きまゝだから……」梅幸は蓮葉はすはらしく立膝たてひざの上で長煙管ながきせるをくるくる廻した。
許せ、我がかる気儘きまゝを。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
まだ其様そんなことを云うか、手前は五分試ごぶだめしにもせにアならん奴だ、うゝん……よく考えて見よ、まず奥方さま御死去になってから、お秋の方の気儘きまゝ気随きずい神原兄弟や手前達を引入れ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)