氏家うじいえ)” の例文
氏家うじいえ孫四郎は、新陰流をつかい彼が赴任して来るまでの、師範役であったが、巨星巌流のひかりに孫四郎の存在は、いつか有るか無きかになってしまった。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
氏家うじいえ竜太郎という若い技師で、詩子ふみこに何べんも何べんも求婚しましたが、詩子ふみこには春藤良一という許嫁いいなずけがあった為に、その都度つど断られ、詩子ふみこがいよいよ結婚することになってからは
身代りの花嫁 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
横山城のおさえに残しておいた氏家うじいえ卜全と安藤伊賀とが浅井勢の左翼を攻撃した。
姉川合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
翌朝、タコスケの書いた地図をたよりに左近は都心をはなれた氏家うじいえ印刷会社へでかけた。住田嘉久馬すみだかくまのバクダン・メモの出版についてはそもそも印刷所に寝返りをうたれて弱ったのである。
左近の怒り (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
氏家うじいえ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
田中の塁には、柴田隊がって、氏家うじいえ、稲葉、安藤の諸隊が凸字とつじ形に、日吉ひえ神社の参道まで突出している。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先ず、大垣の城主氏家うじいえ内膳正を囲んだが、一戦を交えずしてくだったので、秀吉の大軍大垣の城に入った。伝え聞いた附近の小城は風を望んで降ったので、岐阜城は忽ちにして取巻かれて仕舞った。
賤ヶ岳合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
氏家うじいえ広行であった。秀吉の鞍にすがりついて、武者たる者が、声なく泣いているのである。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)