夏川左近は久方ぶりで上京のついで古本あさりに神田へでた。そのときふと思いだしたのは大竜出版社のことだ。終戦後の数年間、左近は密輸船に乗りこんでいた。荒天つづきのつれづれに、そのころの記録をつづり「密輸船」という題をつけて大竜出版社へ送ったま …
著者 | 坂口安吾 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「講談倶楽部 第六巻第九号~第一一号」1954(昭和29)年7月1日~9月1日 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約1時間36分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約2時間40分(300文字/分) |