毒気どっき)” の例文
旧字:毒氣
わしは今それについて研究中だが、君が今、歴史を誌した文字に疑を感じるようになったのも、つまりは、君が文字に親しみ過ぎて、その霊の毒気どっきあたったためであろう。
文字禍 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「その代りきますよ」と断った彼女は、はたして劈頭へきとうに津田の毒気どっきを抜いた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
人を食った言い分で七兵衛もいささか毒気どっきを抜かれます。
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
2 ただよ毒気どっき
火星兵団 (新字新仮名) / 海野十三(著)
妻君は毒気どっきを抜かれて口をあける。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)