残惜のこりお)” の例文
旧字:殘惜
それほど病気が重くなってるとは知らなかったので、一度尋ねるつもりでツイそれなりに最後の皮肉を訊かずにしまったのを今なお残惜のこりおしく思っている。
斎藤緑雨 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
実に新吉も残惜のこりおしく思います、いずれ只今私も新吉と同道で参りますから、ヘエ有難う、誠に御苦労様で
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
生垣いけがきを一つ大廻りに廻ると、路幅の狭い往来へ出る、——そこに彼よりも大きな子供が弟らしい二人と一しょに、空気銃を片手に下げたなり、何の木かの芽の煙ったこずえ残惜のこりおしそうに見上げていた。
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)