残喘ざんせん)” の例文
骨ばかりこの世に取り残されたかと思う人の、まばらなひげ風塵ふうじんに託して、残喘ざんせんに一昔と二昔を、互違たがいちがいに呼吸する口から聞いたのは、少なくとも今が始めてである。の鐘はいんに響いてぼうんと鳴る。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)