款待もてなし)” の例文
それに和尚の款待もてなしぶりもうれしくて、思わず彼はいい心持ちになるほど酔った。でも、彼のはそう顔へは発しなかった。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
来世では和尚の伝手つてで何処か上等の桟敷でも附込つけこんで置きたいらしく、時偶ときたま和尚が訪ねて来ると、いつもその画を賞めそやして下へも置かぬ款待もてなしをする。
正式に呼ばれて彼の前に出たときには温かな心からの款待もてなしを受けるので、本當に私には彼を樂しませる力があつて、そしてかうした夜の會談も、私の爲めといふこともあるが
誰も彼もと押寄せて下にも置かぬ款待もてなしをするにちがいない。
「これならさすがの名人も風雅な款待もてなしが出来ないだろう」
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
はなやかなものにとりまかれてはゐらつしやるし、お喜ばせしたり、お款待もてなししたりするやうなものは何もも備はつてゐるししますから、皆さまはお歸りをお急ぎになることなどありません。
今までの款待もてなしの上に女中がまたメロンを運んで来た。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)