欣快きんかい)” の例文
川村君の幸運には及びもつきませんが、私もいささかの喜びを皆さんにお知らせすることが出来ますのを、欣快きんかいに存ずるものであります
白髪鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「二月二十一日荻ノ浜出帆、さすれば、遅くもその月みそかか、明けても朔日ついたちを遠くは過ぎるまじく、再会の日を思えば欣快きんかいこれに過ぐるものござ無くソロ、——」
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
特に私が文芸通信誌上に書いた「探偵小説の真使命」と称する一文のために「夢野久作君に問う」の一項を設けられたについて御回答申上る事を近頃の欣快きんかいとし且つ光栄とするところである。
甲賀三郎氏に答う (新字新仮名) / 夢野久作(著)
双方満足の御様子であったのは欣快きんかいに堪えない、と云い、自分は今夜御牧氏と同道帰京するが、結納ゆいのうその他のことについては、追って井谷嬢を以て連絡申上げるであろう、なお昨夜の広親子ひろちかしの話では
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)