機後きご)” の例文
竹杖かろげに右手めてに取り直し、血にかっしたる喜三郎の兇刃に接して一糸一髪いっしいっぱつゆるめず放たず、冷々れいれい水の如く機先を制し去り、切々せつせつ氷霜ひょうそうの如く機後きごを圧し来るに、音に聞えし喜三郎の業物わざもの
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)