樺山かばやま)” の例文
韓山かんざんの風雲はいよいよ急に、七げつの中旬廟堂びょうどうの議はいよいよ清国しんこくと開戦に一決して、同月十八日には樺山かばやま中将新たに海軍軍令部長に補せられ
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
下士官や婦人達が、樺山かばやま参謀を呼び出して訴えているのである。将軍の夫人玖満子くまこがどこを探しても見当らない。
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
樺山かばやま伯、牧野男、有馬伯、佐竹子などは呂昇贔屓の錚々そうそうたる顔ぶれであり、実業家や金満家には添田寿一そえだじゅいち氏、大倉喜八郎氏、千葉松兵衛氏、福沢捨次郎氏
豊竹呂昇 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
松方侯まつかたこう晩餐ばんさんに招かれて行きましたが、その席に大山おおやま樺山かばやま、西郷など薩州出身の大官連が出席しておられ、食卓に着きいろいろの話の中、当時のことを語られているのを聞いていると
樺山かばやま中佐どのが、すぐ陣地へ行って、お知らせ申しあげたそうです。……やがて、あの方面の賊軍が退却すれば、きっとすぐに、嬰児ややのお顔を見に飛んでいらっしゃるに違いありません」
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
柳原伯夫人のお姉さんの、樺山かばやま常子夫人が介添かいぞえで、しっとりとしていられたが、白蓮さんには『踏絵』で感じた人柄よりも、ちょくで、うるおいがないと思ったのは、あまりに、『踏絵』の序文が
柳原燁子(白蓮) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
谷将軍は、そこに凝然ぎょうぜんと立っている樺山かばやま参謀へ、顔をよせてそっと訊ねた。
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)